--- title: 家族へ引き継ぐ1ページメモの作り方 description: 普段の送り出しを別の家族へ頼む日に、その朝の順番、本人が見る手がかり、持ち物の場所、迷った場合の連絡順を1ページへ整理します。本人の選択を手順で固定しない書き方も紹介します。 date: 2026-07-25 phase: elementary category: 家族で暮らす perspectives: [家族] tags: [引き継ぎメモ] draft: false og_image: assets/images/phase-family-embrace-v2.png --- 家族へ朝の送り出しを引き継ぐ1ページには、その日の変更と本人が進める順番を書きます。続けて物の場所を置き、最後に迷った場合の連絡順を添えます。本人について知っていることをすべて説明するのではなく、その朝に別の家族が止まりそうな場所から作ります。 このメモは、本人の生活プロフィールや緊急時の手順を置き換えるものではありません。医療や安全に関わる引き継ぎに家庭の決まった方法がある場合は、そちらを使います。ここでは、普段の送り出しを家族が一日だけ代わる場面に限って考えます。 ## 1ページを本人の取扱説明書にしない 引き継ごうとすると、「朝は機嫌が悪い」「急かすと動かない」といった説明が増えることがあります。家族には意味が通じても、初めて送り出す人はどの場面を見れば良いか分かりません。 性格や苦手なことを並べる代わりに、その朝に使う情報へ戻します。「着替えの前に今日の予定を見る」「出発の合図は玄関へかばんを置く」というように、本人が普段見ている物と家族の動きを書きます。 1ページの欄は、次の5つで十分です。これは公的な様式ではなく、一日の引き継ぎを読み切れる量へ絞るための提案です。 | 欄 | 書くこと | 書かないこと | |---|---|---| | 今日の変更 | 出発時刻、送迎する人、いつもと違う予定 | 一週間分の予定 | | 本人の順番 | 本人が見ている予定や、次へ進む合図 | できることとできないことの一覧 | | 物の場所 | かばん、連絡端末、その日に使う物 | 家中の収納場所 | | 止まった場合 | 最初に戻す場所や、待つ目安 | 起こり得る失敗をすべて書いた分岐 | | 連絡順 | 最初に連絡する家族と次の方法 | 関係者全員の個人情報 | 書いたあとに、上から30秒で読めるか確かめます。読まなくても普段どおり進む情報は削ります。詳しい背景は、引き継ぐ前の会話で補えば十分です。 ## 上半分にその朝の順番を書く ページの上半分には、時刻表ではなく本人が進めている順番を書きます。時刻どおりに動く家庭なら時間も手がかりになりますが、毎朝ずれるなら無理に分単位へしません。 たとえば、「予定を見る」の次に「着替える」と書きます。そのあと「かばんを玄関へ置く」「出発する」と続けます。すべての身支度を細かく分けず、別の家族が順番を変えてしまうと本人も迷いやすいところだけ残します。 本人が写真や予定表を見ている場合は、その置き場所を順番の横へ書きます。「予定表を見る」だけでは探す作業が増えます。「冷蔵庫横の予定表を見る」とすれば、その場で動けます。 声のかけ方も、いつも使う短い言葉がある場合だけ添えます。長い説明文を家族へ覚えてもらう必要はありません。本人が見ている物を先に置き、そのあと家族が使う言葉を残します。 ## 本人が決めることを残す 手順を詳しくすると、本人が普段選んでいることまで家族の指示に変わる場合があります。服や朝の飲み物を本人が選んでいるなら、「青い服を着せる」ではなく「2枚から本人が選ぶ」と書きます。 選ばなかった場合の正解を先に決める必要もありません。「選ばないときはいつもの服を見える場所へ置く」と、家族が最初に行うことだけを書きます。そのあと本人がどうするかを見る余地を残します。 本人が自分でかばんへ入れている物も同じです。家族が確実に準備するため先に入れてしまうと、朝の流れが変わります。「連絡端末は机の上へ置き、本人がかばんへ入れる」という役割まで書くと、引き継ぐ人が待つ場所を判断できます。 できることを試す日ではありません。普段から本人が行っていることを別の家族も待てるようにするのが、この欄の役割です。 ## 迷ったときの分岐は二つまでにする 「着替えなかったら」「朝食が進まなかったら」と分岐を増やすと、1ページが判断表になります。引き継ぐ家族は読むことに時間を使い、目の前の本人を見にくくなります。 止まりやすい場所を一つ選び、最初に試すことだけ書きます。「出発の時間になっても玄関へ来ない場合は、予定表の『学校』を一緒に見る」という形です。 それでも進まない場合は、次の連絡へ移します。二つ目の工夫を重ねるより、「10分たっても出発できなければ家族へ連絡」と決めた方が、頼まれた人だけで判断を抱えずに済みます。 学校への連絡が必要になった場合も、誰が行うかを決めておきます。「学校へ連絡する」だけでは、家族の連絡と重なることがあります。引き継ぐ人が連絡するのか、普段の家族へ一度戻すのかを一文で示します。 ## 連絡先は最後に置き、用が済んだら片付ける ページの最後には、迷った場合の連絡順を置きます。電話番号を複数並べるより、「最初は家族A、つながらなければ家族B」と順番を決めます。 学校名や連絡先を入れる場合は、メモの扱いにも注意します。冷蔵庫へ貼ったままにする、メモ全体を写真にして関係のない人へ送るといった使い方は避けた方が良いです。その日の引き継ぎが終わったら、決めた場所へ戻すか不要な写しを片付けます。 家族間でデータとして共有する場合も、必要な相手だけが見られる方法を使います。本人の予定と連絡先が一枚に入っていることを、送る前に思い出します。 ## 最初に一か所だけ書く 1ページを完成させようとせず、自分がいない朝に家族が最初に止まりそうな場所を考えます。予定表の場所が分からないのか、かばんへ何を入れるか迷うのか、その一か所だけを書きます。 そこから前後の順番を足し、最後に連絡先を置きます。引き継いだ家族が実際に迷ったところがあれば、次の機会に一行直します。本人についての説明を増やすのではなく、家族が見る場所を少しずつ整えると、1ページの役割を保てます。