--- title: 進路実習で見た本人の様子を学校と振り返る description: 進路実習後の振り返りを、実習先の評価だけで終わらせず、本人が示したこと、周囲が見た事実、使われた手がかり、次に確かめる場面へ分けます。家庭と学校が結論を急がない面談メモです。 date: 2026-09-10 phase: high_school category: 園・学校で過ごす perspectives: [周りの人] tags: [観察記録] draft: false og_image: assets/images/phase-school-notebook-v2.png --- 進路実習の振り返りは、「本人が示したこと」「周囲が見た事実」「使われた手がかり」「次に確かめる場面」の四つへ分けます。良かった点と課題だけでまとめず、一日のどこで起きたかを学校と確かめます。 このメモだけで進路を決める記事ではありません。実習先の正式な評価や学校の進路指導とは分けて使います。本人の希望と家庭の条件も、同じ結論へまとめません。 ## 実習前の予想を別に残す 実習後の記録を始める前に、家族が事前に予想していたことを一行だけ書きます。予想と実際に見えたことを混ぜないためです。 学校から示された実習の目的も確認します。家庭の期待へ置き換えず、文書に書かれた言葉をそのまま残します。 本人へ伝えた予定があれば、その方法も書きます。写真や文字など、当日に使った手がかりが振り返りの条件になります。 実習先について家庭が知っていた情報は、確認日を付けます。現在の利用条件や進路先としての可否を、実習の感想だけで判断しません。 ## 一場面を四つへ分ける 振り返りでは、印象に残った一場面から始めます。発言の全文や一日の出来事をすべて写しません。 | 欄 | 残すこと | |---|---| | 本人が示したこと | 向かった所、選んだ物、離れた場面 | | 周囲が見た事実 | 場所と時刻、本人と周りの動き | | 使われた手がかり | 予定、配置、声のかけ方 | | 次に確かめる場面 | 未確認のことと確認する人 | 「落ち着いていた」「意欲があった」と書く場合は、そう受け取った場面を隣へ置きます。印象を事実として固定しません。 四つすべてが埋まらなくても構いません。分からない欄は、次の面談や実習で尋ねることになります。 ## 実習先と学校が見たことを分ける 実習先からの説明は、誰がどの場面を見たか確認します。学校の先生が見た場面と同じ行へ混ぜません。 異なる説明があっても、どちらかを誤りと決めない方が良いです。時間や活動が違えば、本人の動きも変わる場合があります。 家庭で見た帰宅後の様子は、三つ目の場面として置きます。実習中の出来事の原因とは決めません。 正式な実習評価表がある場合は、家庭用メモと別に保管します。家庭の言葉で書き換えて学校へ返しません。 ## 本人へ二つの場面を返す 本人へ振り返りを伝える時は、一日の全記録を見せません。本人が選んだ場面と、次に確かめる場面の二つへ絞ります。 写真や物を使う場合は、本人が普段見ている形式へ合わせます。振り返りのために新しい表現方法を試しません。 本人が同じ場所をもう一度選んだ場合も、進路を決めたと扱いません。反対に選ばなかった場合も、候補を拒否したと決めません。 こども家庭庁の意思尊重の手引きは、ことば以外の方法も含めて意思を把握する考え方を示しています。本人が実習中と振り返りで示した場面を、家族の結論へ置き換えず残します。 ## 支援が合った条件を一つ探す 本人が作業や移動を続けた場面では、能力の評価より周囲の条件を見ます。予定が見えていたか、休める場所があったかなどです。 うまく進まなかった場面でも、本人の課題だけにしません。初めての場所だったことや合図の違いを確認します。 実習先と学校で同じ方法を使うよう求めるのではなく、何が使われたかを残します。次の候補では一つだけ確かめます。 本人の安全や健康に関する支援は、学校と実習先の正式な方法を優先します。家庭メモで方法を変更しません。 ## 家庭の条件を別の紙へ置く 通う時間や送迎は、本人の実習評価とは別に確認します。家族が続けられるかどうかも、本人の適性という言葉へ変えません。 費用や契約など未確認の条件は、実習先で聞いた印象だけで埋めません。学校や自治体の最新案内へ戻ります。 実現しにくい条件が見つかっても、本人が示したことを消しません。「本人が選んだ場面」と「確認中の条件」に分けます。 次の候補へ進む場合は、本人が選んだ要素を一つ持っていきます。サービス名ではなく、休む場所や人との距離などです。 ## 面談の最後に次の一場面を決める 学校との面談では、実習全体の結論より次に確かめる一場面を決めます。「午前の活動後に休む場所を見る」のように書きます。 確認する人と、家庭へ戻す方法も一つ決めます。家庭が実習先へ直接連絡する前に、学校の窓口を確かめます。 文部科学省の特別支援学校高等部学習指導要領は、産業現場等の実習機会と学習の振り返りを教育活動へ位置付けています。実習後の振り返りも、合否のような一回の判定ではなく次の学びへつなげます。 面談で決まらなかったことは、未確認と書きます。家族の推測で期限や担当を補いません。 ## 次の実習前に一枚を読み直す 次の実習が決まったら、前回の四欄から持っていくことを一つ選びます。使われなかった欄はそのまま増やしません。 本人が前回と違うことを選んでも、記録の矛盾にはしません。場所と人が変わったことを条件として残します。 学校の正式な計画へ反映する内容は、学校が指定する方法で確認します。家庭用の一枚をそのまま計画へ貼り付けません。 振り返りの目的は、実習先を家庭で採点することではありません。本人が示したことと周囲の条件を一場面ずつ分け、次に何を確かめるか学校と共有することです。 ## 参考にした公的資料 この記事では、[文部科学省「特別支援学校高等部学習指導要領 第1章 総則」](https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/tokushi/1284551.htm)と、[文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」](https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250_00004.htm)を確認しました。実習機会と学習の振り返り、卒業後へ支援内容を引き継ぐ考え方を参考にしています。[こども家庭庁の意思尊重の手引き](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/a14c5632/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_15.pdf)も参照しました。いずれも2026年7月25日に確認しています。