--- title: 園と療育の面談メモを一つにまとめる description: 園と療育で別々に聞いたことを、発言者ごとの記録ではなく、家庭で確かめたい一場面、決まったこと、次に見ることへ分けます。正式な記録を置き換えない一枚のまとめ方です。 date: 2026-08-07 phase: preschool category: 支援者・地域とつながる perspectives: [家族] tags: [面談メモ] draft: false og_image: assets/images/phase-preschool-communication-v2.png --- 園と療育で別々に面談した内容は、聞いた順に一冊へ書き足す前に、家庭で使う一枚へまとめます。欄は「確かめたい一場面」「それぞれから聞いたこと」「決まったこと」「次に見ること」の四つです。 この一枚は、園の記録や個別支援計画などの正式な書類を置き換えません。支援者同士が情報共有する正式な手続きも、家庭メモだけで済ませないようにします。本人の個人情報が含まれるため、保管と共有先を家族で決めます。 ## 二つの面談から同じ一場面を選ぶ 最初に、園と療育の両方で話題になった生活の場面を一つ選びます。食事や着替えといった大きなテーマではなく、昼食の席へ移る時のように位置を絞ります。 同じ話題がなかった場合は、家庭が今いちばんつなげたい場面を一つ選びます。園と療育へ同じ答えを求めるのではなく、それぞれの場所で見えていることを並べます。 面談のすべてを一枚へ移す必要はありません。園の行事予定や療育の契約に関する話は、元の資料やメモへ残します。 場面を選ぶ時は、支援者が問題だとしたことだけを優先しません。本人が自分から向かっている場面や、家庭が続けたいと感じた関わりも候補です。 ## 聞いたことを発言と事実へ分ける 二つ目の欄には、園と療育で聞いたことを別の行へ書きます。「園では昼食前に写真を見せている」「療育では活動の終わりに実物を示している」のように、その場所の事実として残します。 支援者の提案は、見た事実と分けます。「家庭でも写真を使ってはどうかと園から提案があった」と、誰からの提案かを添えます。 家族の受け取り方も別の行にできます。「同じ方法に見えた」と書いても、園と療育が共通の支援方針を決めたことにはしません。 専門用語が分からなかった場合は、推測で言い換えず、そのまま疑問として残します。次の面談で意味と、本人のどの場面を指す言葉かを尋ねます。 ## 決まったことだけ中央へ置く 面談で実際に合意したことは、提案や感想と分けて中央の欄へ置きます。誰が、どこで、いつまで試すかが確認できる形にします。 | 欄 | 記入例 | |---|---| | 確かめたい場面 | 昼食の席へ移る時 | | 園で聞いたこと | 昼食前に写真を一枚見せている | | 療育で聞いたこと | 活動の終わりに次の実物を見せている | | 決まったこと | 家庭は夕食前にコップを一度見せる | | 次に見ること | 見せたあと本人がどこへ移るか | 「様子を見る」だけでは、次に何を確認するか分かりません。場所、物、本人の動きのうち一つを決めます。 園や療育で試すことは、それぞれの担当者が確認した内容だけを書きます。家庭の面談メモを見て、別の支援者へ実施を求めないようにします。 ## 次に見ることを一つにする 複数の提案があっても、家庭で一度に試すことは一つにします。夕食前の合図を変えるなら、席や食器は普段通りに残します。 見る期間も、家族が続けられる範囲で決めます。毎日記録できない場合は、三回見たら次の面談で共有する方法でも構いません。 本人が提案された方法を選ばない日もあります。できなかったと採点せず、何を見せた時に本人がどこへ移ったかを残します。 途中で心配な変化がある場合は、決めた期間まで待ちません。どの相談先へ連絡する内容かを確かめ、園や療育の指定方法で伝えます。 ## 元の資料へ戻れる印を付ける 一枚へまとめる時は、面談日と場所を必ず書きます。園の何月の面談で聞いたかが分かれば、詳しい内容を元のメモへ戻って確認できます。 正式な計画書や配布資料は、一枚へ書き写さず、保管場所を記します。「園ファイルの7月面談」といった印で十分です。 デジタルで保管する場合も、個人情報を含むファイルを不用意に共有しません。家族が誰と共有するかを決め、園や療育へ送る前に必要な範囲を確認します。 古い一枚は削除せず、更新日を付けて区別します。今の内容と過去の内容を混ぜないよう、使っている一枚だけを見える場所へ置きます。 ## 次の面談では一枚から一つ尋ねる 次の園の面談では、療育の内容全部を伝えず、一枚の「次に見ること」について家庭で見えた事実を一つ伝えます。 療育へ話す時も同じです。園から聞いた方法を実施してもらう依頼ではなく、園ではどの場面で何をしているかを事実として共有します。 支援者同士の連携が必要だと感じた場合は、家庭が伝言を続けるだけで済ませません。本人や家族の同意、共有する情報、連絡方法を関係先と確認します。 こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、家族支援と移行支援に加え、関係機関が連携して本人の生活を支えることを示しています。家庭の一枚は、その連携の正式記録ではありません。家族が二つの場所の話を混同せず、次の相談へ持って行くための整理です。 ## 直近二回の面談から一場面を選ぶ 今夜は、園と療育の直近の面談メモを並べます。両方で出た一場面か、家庭がつなげたい一場面を一つ選びます。 聞いたこと、決まったこと、次に見ることを別々に書きます。元の面談日と資料の保管場所も添えます。 一枚へまとめる目的は、園と療育の方法を同じにすることではありません。異なる場所で聞いたことを、本人の一場面を中心に整理し、家庭が次に確かめることを一つにするためです。 ## 参考にした公的資料 この記事では、[こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」](https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0ff6d844-e785-416a-9bbc-194938099218/583292ad/20240709_councils_shingikai_shougaiji_shien_0ff6d844_04.pdf)を確認しました。家族支援と移行支援に加え、関係機関との連携に関する記載を参考にしています。家庭メモと正式な支援記録を分け、本人の生活を中心に情報をつなぐ考え方です。2026年7月25日に参照しました。