初めて支援者へ相談する時は、困っていることを思いつく順に並べる前に、家庭の一日を四つへ分けます。朝と昼、夕方と夜です。それぞれに「本人がしていること」と「家族がしていること」を一つずつ書きます。

このメモだけで、必要な支援や利用できる制度を判断するものではありません。相談先の説明や正式な聞き取りを置き換えず、家族が話の入口を見つけるために使います。急ぎの安全上の心配や体調の変化は、通常の初回相談を待たず、適切な相談先へ伝えます。

相談したいことを一つの場面へ置く

最初に「言葉が気になる」「食事が大変」と大きな題名だけを書かず、それが起きている場面を一つ選びます。朝の着替えで声をかける時、夕食を始める時など、家族が実際に見ているところです。

複数の心配がある場合も、最初の相談で一度に結論を求めません。今いちばん支援者と一緒に確かめたい場面を一つ選び、ほかは「次に話したいこと」として別に残します。

場面を選ぶ時は、頻度が高いことだけを優先しなくて構いません。家族が説明しにくいことや、相談の日まで何を見ればよいか知りたいことも候補です。

本人の行動を問題の名前へ置き換えず、見た場面を題名にします。「夕食前に台所と居間を行き来する時」のように書くと、支援者も一日の位置を確かめられます。

一日を四つへ分けて一行ずつ書く

相談前に一日の時刻表を細かく作る必要はありません。朝から夜までを四つへ分けます。選んだ場面に近いところだけ、少し詳しくします。

平日と休日が違う家庭では、相談したい場面が起きる方を一つ選びます。両方を混ぜず「平日の例」と題名へ付けます。

時間帯本人がしていること家族がしていること
居間で着替える一枚ずつ服を渡す
家で好きな物を見ている少し離れて家事をする
夕方台所と居間を行き来する夕食の準備をする
絵本を持って寝室へ行く一緒に寝室へ移る

空欄があっても構いません。家族が見ていない時間帯は、分からないと書きます。推測で埋めず、園や一緒に過ごす人へ尋ねる項目にできます。

本人の動きと家族の受け取り方を分ける

「夕食を待てず落ち着かない」と書くと、見えたことと家族の解釈が一つになります。本人の動きは「台所と居間を行き来した」と書きます。

家族の受け取り方を隠す必要はありません。別の行に「夕食を待っているのではないかと家族は考えた」と書けば、支援者と一緒に確かめられます。

本人が見た物や、家族の声かけのあとにしたことも一つ残します。支援者へ原因を示すのではなく、相談で尋ねられた時に思い出しやすくするためです。

診断名や専門用語を使って説明しようとしなくて構いません。家庭で使っている言葉と、見えた動きで伝えます。分からない言葉は相談の場で意味を尋ねます。

家族がしている工夫を一つ添える

困った場面だけでなく、家族が普段していることを一つ書きます。服を一枚ずつ渡す、夕食前にコップを見せるなど、小さな関わりで構いません。

うまくいった方法として証明する必要はありません。「今はこうしている」と伝えます。日によって違う場合は、よくする方と変わる部分を分けます。

何も工夫していないと感じる家庭もあります。しかし、待つことや物を近くへ置くことも日常の工夫です。別の家族と交代する動きも、相談で続けるか見直すかを一緒に考える材料になります。

家族が続けられないことも、隠さず伝えられます。「毎日は用意できない」「一人の時は難しい」と条件を添えると、家庭で実行できる範囲を支援者と確かめられます。

尋ねたいことを一文にする

一日のメモの最後に、支援者へ尋ねたいことを一文で書きます。「夕食前の様子を、次の相談まで何に分けて見ればよいですか」のように、次の観察へつながる問いにします。

「どうすれば全部解決しますか」と広げず、家庭で見られる一場面へ戻します。支援者から別の優先事項が示された場合は、その説明を聞き、今の問いとの関係を確認します。

制度の対象や利用開始時期を知りたい場合は、生活相談とは別の質問として書きます。自治体や相談先によって手続きが異なるため、一般的な記事だけで判断しません。

相談時間ですべてを話せなかった時は、残った項目を失敗と考えません。次回へ持ち越すものと、別の窓口へ尋ねるものを相談先と分けます。

相談後は返答と次に見ることを分ける

相談が終わったら、支援者から聞いた説明と、家庭で次に見ることを別々に残します。説明を家族の結論へ言い換えず、分からなかった部分もそのまま書きます。

次に記録する場面が決まった場合は、期間と項目を一つずつ確認します。家族が毎日続けられない時は、相談したその場で回数を調整します。

複数の支援者へ相談する場合も、一つの返答を全員の共通判断として広げません。誰から、いつ、どの場面について聞いたことかを残します。

こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、本人と家族の生活全体を把握し、家族の意向も確認しながら支援を考えることを示しています。一日の短いメモは評価表ではなく、本人の暮らしと家族の今の関わりを相談の場へ運ぶためのものです。

今日の四つを紙へ書く

相談の前日は、詳しい成長記録を作り直さず、今日を四つの時間帯へ分けます。朝と昼、夕方と夜です。本人がしていたことと、家族がしていたことを一つずつ書きます。

最も相談したい場面へ丸を付け、最後に尋ねたいことを一文だけ添えます。分からない時間帯は空欄にせず「分からない」と書きます。

初めての相談で大切なのは、家庭だけで正しい答えを作って持参することではありません。本人の一日を支援者と同じ順番で見られる入口を用意することです。

参考にした公的資料

この記事では、こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」を確認しました。アセスメントと家族支援に加え、本人と家族の意向を踏まえた支援に関する記載を参考にしています。家庭の一場面だけで支援を判断せず、生活全体を相談の入口にする考え方です。2026年7月25日に参照しました。