学校見学の予定を本人へ伝える時は、見学先の説明を増やす前に、三場面だけを写真で並べます。「家を出る」「学校へ着く」「家へ戻る」です。見学中の細かな順番は、学校から確認できた範囲だけを後から足します。

見学へ行くことは、その学校へ通うと決まったことではありません。写真にも「ここへ通う」と書かず、「今日は見に行く」と伝えます。就学先は本人と家族の意向に加え、教育的ニーズや自治体の相談過程などを踏まえて考えます。この記事だけで判断しません。

最初は行きと帰りの三枚にする

予定表へ校門や教室などをすべて並べると、見学先で順番が変わった時に戻りにくくなります。廊下や昼食場所も最初から加えません。最初は家、学校の入口、帰宅先の三枚にします。

家の写真は、普段の外出で使っている物があれば同じ物を使います。新しく撮る場合も、住所や表札が見えない写真を選びます。

学校の写真は、公式サイトにある外観を無断で保存して使わず、利用条件を確認します。家族が撮影する場合は、学校へ撮影してよい場所と使い方を尋ねます。

帰宅先が家ではない日は、最初に向かう場所を一枚にします。見学後の買い物など細かな予定は、本人へ伝える必要がある時だけ別に示します。

写真の下へ動きを一つ書く

写真だけで意味が決まるとは限りません。下に「家を出る」「学校を見る」「家へ戻る」と、家族が普段使っている短い言葉を添えます。

学校の写真へ学校名を書く場合も、選択が決まった表現にしません。「○○学校を見に行く」と動きを付けます。

順番写真添える言葉
1外出前に見る家の物家を出る
2撮影が認められた学校の入口学校を見る
3帰宅後にいる場所家へ戻る

本人が使っている写真カードや予定表の形式がある場合は、新しいデザインへ変えず同じ大きさと並べ方を使います。

文字を使っていない場合は、家族が同じ短い言葉で伝えます。写真を理解できるかを試す場にはしません。

見学先で確定していることだけ足す

集合場所や見学時間が学校から案内されたら、必要な一場面を一枚だけ足します。受付へ行く、教室を見るなど、本人が次に移る場所を優先します。

予定が未定の部分は、家族の予想で埋めません。「当日学校で聞く」と家族用メモへ分け、本人向けの写真には確定した順番だけを置きます。

複数の学校を別の日に見学する場合は、一枚の予定表へすべて並べません。その日に行く一校だけを示し、写真と日付を混ぜないようにします。

見学の目的を詳しく伝えられる場合も、学校の優劣を先に説明しません。本人が見学で確かめられる場所や過ごし方を一つ示します。

本人の反応を選択の答えにしない

写真を見て笑った、離れた、手に取ったといった動きは残せます。ただし、一度の反応をその学校への賛成や反対と決めません。

本人が写真を見ない場合も、予定を理解できなかったと評価しません。家族がいつ、どこで、何枚見せたかを一度見直します。

見学中は、本人が近づいた場所や長く見た物を短く残します。家族の受け取り方は「この教室が好きだと思う」と事実へ混ぜず、別に書きます。

こども家庭庁の意思尊重の手引きは、ことばだけでなく表情や行動を含め、本人の意思を丁寧に確認する考え方を示しています。一つの反応を結論にせず、複数の場面と関わる人の見方を重ねます。

写真の撮影と保管を分けて考える

学校内を撮影できる場合も、ほかの子どもや家族が写らないようにします。名札や掲示物にも注意します。撮影できない場所は、学校が提供する資料や家族の短い言葉で代えます。

写真を家族以外の支援者へ共有する時は、学校の許可範囲を確かめます。家庭用に撮影した写真を、許可なくアプリやSNSへ載せません。

使い終わった写真は、次の見学予定と混ざらない場所へ移します。個人情報を含む画像は、家族が決めた安全な場所で管理します。

学校の公式資料を使う場合も、利用目的と転載条件を確認します。予定を示すために必要な最小限の範囲で使います。

当日は変わった順番を一枚ずつ外す

集合場所が変わった場合は、予定表を最初から作り直さず、使わない写真を一枚外します。新しい場所を確認できれば、その一枚を加えます。

予定が遅れた時も、時刻を守れなかったと本人へ伝えず、次の写真を示します。見学を短く切り上げる場合は、帰宅先の写真へ戻ります。

本人の様子や安全を優先し、予定表どおりに最後まで見ることを目標にしません。見学先で相談が必要な時は、学校の担当者へ伝えます。

文部科学省の教育支援の手引きは、就学に関する事前の相談と支援を含むプロセスを示し、本人と保護者の意向を可能な限り尊重する考え方を示しています。写真の予定は、その判断を代わりに行うものではありません。本人が今日どこへ行き、どこへ戻るかを受け取りやすくする道具です。

次の見学の三枚を選ぶ

次の見学について、まず家を出る時に使う写真を一枚選びます。学校は撮影と利用が認められた入口の写真、最後は帰宅先の写真にします。

三枚の下へ短い動きを書き、「今日は見に行く」と伝えます。集合場所など確定した情報が増えた時だけ、一枚を足します。

写真で予定を伝える目的は、見学先を本人に選ばせたことにするためではありません。変わる可能性のある一日を小さく区切り、本人の反応を家族と学校が丁寧に受け取るためです。

参考にした公的資料

この記事では、文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」の就学に関する事前相談と、本人・保護者の意向に関する考え方を確認しました。こども家庭庁「障害児支援におけるこどもの意思の尊重・最善の利益の優先考慮の手引き」の意思を確認する過程も参考にしています。いずれも2026年7月25日に参照しました。