園と療育で別々に面談した内容は、聞いた順に一冊へ書き足す前に、家庭で使う一枚へまとめます。欄は「確かめたい一場面」「それぞれから聞いたこと」「決まったこと」「次に見ること」の四つです。

この一枚は、園の記録や個別支援計画などの正式な書類を置き換えません。支援者同士が情報共有する正式な手続きも、家庭メモだけで済ませないようにします。本人の個人情報が含まれるため、保管と共有先を家族で決めます。

二つの面談から同じ一場面を選ぶ

最初に、園と療育の両方で話題になった生活の場面を一つ選びます。食事や着替えといった大きなテーマではなく、昼食の席へ移る時のように位置を絞ります。

同じ話題がなかった場合は、家庭が今いちばんつなげたい場面を一つ選びます。園と療育へ同じ答えを求めるのではなく、それぞれの場所で見えていることを並べます。

面談のすべてを一枚へ移す必要はありません。園の行事予定や療育の契約に関する話は、元の資料やメモへ残します。

場面を選ぶ時は、支援者が問題だとしたことだけを優先しません。本人が自分から向かっている場面や、家庭が続けたいと感じた関わりも候補です。

聞いたことを発言と事実へ分ける

二つ目の欄には、園と療育で聞いたことを別の行へ書きます。「園では昼食前に写真を見せている」「療育では活動の終わりに実物を示している」のように、その場所の事実として残します。

支援者の提案は、見た事実と分けます。「家庭でも写真を使ってはどうかと園から提案があった」と、誰からの提案かを添えます。

家族の受け取り方も別の行にできます。「同じ方法に見えた」と書いても、園と療育が共通の支援方針を決めたことにはしません。

専門用語が分からなかった場合は、推測で言い換えず、そのまま疑問として残します。次の面談で意味と、本人のどの場面を指す言葉かを尋ねます。

決まったことだけ中央へ置く

面談で実際に合意したことは、提案や感想と分けて中央の欄へ置きます。誰が、どこで、いつまで試すかが確認できる形にします。

記入例
確かめたい場面昼食の席へ移る時
園で聞いたこと昼食前に写真を一枚見せている
療育で聞いたこと活動の終わりに次の実物を見せている
決まったこと家庭は夕食前にコップを一度見せる
次に見ること見せたあと本人がどこへ移るか

「様子を見る」だけでは、次に何を確認するか分かりません。場所、物、本人の動きのうち一つを決めます。

園や療育で試すことは、それぞれの担当者が確認した内容だけを書きます。家庭の面談メモを見て、別の支援者へ実施を求めないようにします。

次に見ることを一つにする

複数の提案があっても、家庭で一度に試すことは一つにします。夕食前の合図を変えるなら、席や食器は普段通りに残します。

見る期間も、家族が続けられる範囲で決めます。毎日記録できない場合は、三回見たら次の面談で共有する方法でも構いません。

本人が提案された方法を選ばない日もあります。できなかったと採点せず、何を見せた時に本人がどこへ移ったかを残します。

途中で心配な変化がある場合は、決めた期間まで待ちません。どの相談先へ連絡する内容かを確かめ、園や療育の指定方法で伝えます。

元の資料へ戻れる印を付ける

一枚へまとめる時は、面談日と場所を必ず書きます。園の何月の面談で聞いたかが分かれば、詳しい内容を元のメモへ戻って確認できます。

正式な計画書や配布資料は、一枚へ書き写さず、保管場所を記します。「園ファイルの7月面談」といった印で十分です。

デジタルで保管する場合も、個人情報を含むファイルを不用意に共有しません。家族が誰と共有するかを決め、園や療育へ送る前に必要な範囲を確認します。

古い一枚は削除せず、更新日を付けて区別します。今の内容と過去の内容を混ぜないよう、使っている一枚だけを見える場所へ置きます。

次の面談では一枚から一つ尋ねる

次の園の面談では、療育の内容全部を伝えず、一枚の「次に見ること」について家庭で見えた事実を一つ伝えます。

療育へ話す時も同じです。園から聞いた方法を実施してもらう依頼ではなく、園ではどの場面で何をしているかを事実として共有します。

支援者同士の連携が必要だと感じた場合は、家庭が伝言を続けるだけで済ませません。本人や家族の同意、共有する情報、連絡方法を関係先と確認します。

こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、家族支援と移行支援に加え、関係機関が連携して本人の生活を支えることを示しています。家庭の一枚は、その連携の正式記録ではありません。家族が二つの場所の話を混同せず、次の相談へ持って行くための整理です。

直近二回の面談から一場面を選ぶ

今夜は、園と療育の直近の面談メモを並べます。両方で出た一場面か、家庭がつなげたい一場面を一つ選びます。

聞いたこと、決まったこと、次に見ることを別々に書きます。元の面談日と資料の保管場所も添えます。

一枚へまとめる目的は、園と療育の方法を同じにすることではありません。異なる場所で聞いたことを、本人の一場面を中心に整理し、家庭が次に確かめることを一つにするためです。

参考にした公的資料

この記事では、こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」を確認しました。家族支援と移行支援に加え、関係機関との連携に関する記載を参考にしています。家庭メモと正式な支援記録を分け、本人の生活を中心に情報をつなぐ考え方です。2026年7月25日に参照しました。